川勝平太知事に対する不信任決議案提出

川勝平太知事に対する不信任決議案【提案説明】

 私は、自民改革会議の増田享大でございます。

 ただいま提出された議案の提出者を代表して提案理由の説明を申し述べたいと思います。

川勝平太知事は、令和3年11月24日に静岡県議会の「川勝平太知事に対する辞職勧告決議案」の可決を受け、同日に報道の取材に対し「まずは自らにペネルティーを課すと考えるわけですが差し当たって年末の手当、ボーナスとか、それから十二月の俸給は全額県民の皆様にお返しをすると、返上するというふうにしようと思っております」と述べ自身のペナルティーとして期末手当と給与総額約440万円余を返上すると自ら表明しました。

 その後1年半に渡り条例の変更を提案する機会は多数あったにもかかわらず、知事は議会への提案を行わず、今日に至るまで、自身で表明した期末手当と給与の返上はなされていません。令和5年6月定例会閉会日に知事が発言を求め、知事報告を行い期末手当と給与の返上に関して「令和5年9月定例会への条例案の提案」を表明しておりますが、その発言内容と令和5年6月定例会で明らかになった事柄の間に、複数の虚偽説明と断ぜざるを得ない矛盾があり、度重なる知事の不適切発言も踏まえ、知事の発言について一切信ずるにあたわないと判断し、ここに川勝平太知事に対する不信任決議案を提出するに至りました。まずはその矛盾についてご説明します。

 1点目は知事報告において「給与を返上するための条例案の議会への提案に向けて、様々な努力や調整をしましたが」と発言していますが、令和5年6月定例会総務委員会の我が会派の委員の質問に対し、当局職員が「期末手当等の返上について知事の方から、事務方に相談があったということはございません」と明確に答弁しており、知事報告と明確に矛盾しています。

 2点目は知事報告において「給与を返上するための条例案を提案したいとの思いは、その後も全く変わっておりません。」と発言していますが、令和5年6月定例会総務委員会の我が会派の委員の質問に対し当局職員が、知事が期末手当と給与を返上しないことを報道などで表明したことを念頭に、知事が熟慮した結果、「職責を果たすと思い立ったと承知をしております」と答弁をしており、知事報告と明確に矛盾しています。

 これら2点の重大な虚偽の説明と断ぜざるを得ない発言は、自らの度重なる不適切発言に対し、知事自らが課したペナルティーに更なる不適切な発言を重ねるものであり、今回の知事報告をもって根本的に知事の発言に対する信頼性、信憑性、真実性は根本的に損なわれたと言わざるを得ません。新型コロナからの回復、物価高騰対策、そして想定される南海トラフ地震、富士山噴火、激甚化する豪雨災害など静岡県の危機管理上の課題が山積するなかで、その発言に全く信を置くことができない知事を戴くことは県政運営上の重大な危機であります。

 知事の不適切発言は、令和3年の参議院補選中の御殿場コシヒカリ発言、令和元年12月のヤクザごろつき発言のみならず、令和3年の知事選時の女性蔑視発言、平成26年9月や平成28年12月などの静岡市、静岡市長、静岡市議会への度重なる侮辱的発言、平成26年1月の教育長に対する辞任勧告など、挙げればキリがありません。

こうした発言の繰り返しは、県民の不信感を招き、関係者との無用な対立を呼び、健全な県政運営を損ね、もって本県の将来を危うくするものであります。

川勝平太知事は、静岡県民の生命と財産を預かる職責にあるものとして発言の信頼性を根本的に損なうものであり、不信任決議案の提出に至ったわけであります。

 議員皆様の満場の賛同をお願い申し上げ、提案理由の説明といたします。